アンコールワット、アンコールトム、バンテアイ・スレイ、プリヤ・カン等の写真集


装飾柱


 建築物のいたるところに細かい装飾を彫り込んだ箇所が見られる。当然のことだがこれらのひとつひとつの装飾は当時の人間の手によって彫り込まれたものである。その労働力の量は想像もつかないほどのものであることが一目でわかる。現代建築でこれほどの量の彫刻を素直に掘り出すことで表現することはまず不可能であろう。それは非常に贅沢極まりない手法であり現在の世の中の構成方ではあまりにも資金がかかりすぎるものである。それが故に数々の勢力を誇った王朝は自分の力を誇示するために巨大な建築物を競って作ろうとしたのか…。この彫刻のひとつひとつを刻んだ人々は何を思ってその手を動かしていたのだろう。きっと想像もつかないほどの人の感情がこの建築物には掘り込まれているのだ。今となっては誰も知る由のない様々なドラマが永遠に人の目の届かない奥深くに眠り続けているのだろう。
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